工場の最高速度は、製造の未来を考える材料の一つです。ただし年産能力の話に広げる前に、その速度が何時間続き、何台が検査を通ったかを足します。短い実証と年間能力は、別の数字です。

元の予測

Figureは2025年10月、BotQ工場の第1世代ラインがFigure 03を最大で年1万2,000台作れるようになると発表しました。「initially be capable of producing up to 12,000」という上限能力の主張で、発表時点の完成台数ではありません。

同社はその先に4年間で合計10万台という目標も置いています。本記事が追うのは最初のラインの年産能力だけです。複数ラインや将来増設を含み得る10万台の累計は「Figureは4年で10万台を作る?」に分けます。

350台・1時間・80%は別の測定値

2026年4月の工場更新には、量産化を読む三つの数字があります。

数字測っているものまだ分からないこと
累計350台超それまでにBotQから出たFigure 03月ごとの増加速度
1時間1台実証したcycle time継続時間と工場全体の総出力
終端の初回合格率80%超手直しなしで最初に検査を通った割合手直し後の最終良品率

350台は実物の累計、1時間は速度、80%は品質工程の通過率です。いずれもラインが図面だけでなく動いている証拠ですが、一つを別の単位に置き換えることはできません。

1時間1台だけでは年1.2万台にならない

仮に一つの出口から1時間に1台が出続けるとしても、24時間365日の単純上限は8,760台です。保守や停止を入れればさらに減ります。年1万2,000台へ届くには、並列に流れる工程や複数の組立セル、1時間未満への短縮など、別の能力が必要です。

Figureは1時間1台を「生産目標に必要なcycle time」と説明しています。ただし公開資料だけでは、このcycle timeが最終組立の単一出口なのか、並列工程の一セルなのかを確定できません。数字が矛盾すると断じるのではなく、ライン構成の空欄として残します。1時間1台という主張自体の確認は「Figureの1時間1台は何を証明した?」で詳しく追います。

達成には継続した良品出力が要る

年間能力は、部品供給、作業時間、検査、歩留まりを含む通常運転で判断します。短い時間だけ目標cycle timeを出せても、同じ速度と品質を月単位で保てるとは限りません。

会社がライン能力の立ち上げ完了を明示し、一定期間の完成数と検査通過数が年1万2,000台相当を支えれば達成です。需要が少なく実生産を抑える場合は、公称能力の達成と完成実績を分けて表示します。

2026年8月の現在地

BotQはプロトタイプ段階から生産段階へ移り、主要モジュールごとの専用ライン、150台超の端末をつなぐ製造実行システム、工程内50か所超と完成時80項目超の検査を運用しているとFigureは説明しています。累計350台超まで進んだことも、初期能力の実現へ向かう材料です。

一方、350台は立ち上げ初期の累計です。その後の月次完成数や、1時間cycle timeを保った期間はまだ確認できません。一時間の針を一年の時計にそのまま延ばさず、判定は「進行中」とします。

次は月次の完成・検査通過数を見る

次の工場更新で必要なのは、派手な最高速度より対象期間の揃った数字です。月次または四半期の完成台数、検査通過台数、稼働日数があれば、実出力を年換算できます。初回不合格の機体が手直し後にどれだけ良品となったかも、完成数を読むうえで欠かせません。

クオンの一時間窓にはcycle time、長い年窓には継続した良品出力を記録します。二つの針がつながったとき、初期年産1万2,000台の判定を閉じます。

トワの進路ノート

今週、未来を待ちながらできること

速度の数字を年換算する前に、「何時間続いたか」「検査を通った数か」の二欄を作る。空欄なら、将来の仕事量まで決めない。

未来記録室の青鉛筆

覚えて帰る一行

年産能力は、一時間の最高記録では決まらない。

次に見るもの

次回は2026年11月15日を目安に、成功条件へ直接つながる一次情報が増えたかを確認します。公式発表は「その主体が発表した事実」として扱い、実環境での成立や第三者確認と同一視しません。

よくある質問

Figureはもう年間1万2,000台を生産していますか?

いいえ。1万2,000台は初期ラインの年産能力目標です。確認できる累計生産と一時的レートは別の数字です。

1時間1台なら年8,760台では?

単純な24時間365日換算にすぎません。停止、交代、保守、品質検査を含む実能力は継続データで確認する必要があります。

年産能力と販売台数は同じですか?

違います。能力は作れる上限、販売・配送は需要と契約を含む実績です。

出典と確認記録

予測を示した資料と、現在地を確認する資料を分けて掲載しています。公式発表は、その主体が発表した事実として扱います。

元の予測・計画

  1. Introducing Figure 03Figure AI/確認 2026年8月12日

現在地を確かめる資料

  1. Ramping Figure 03 ProductionFigure AI/確認 2026年8月12日