100万という設計上の行き先と、8という現在の搭載数を重ねると、技術の距離を見誤ります。未来図と今日の実装は、別の時制のまま並べます。

現在値と目標値

Microsoftは2025年2月、Majorana 1をTopological Coreで動くQPUとして発表しました。同社は、チップに8個のトポロジカル量子ビットを置いたと説明する一方、100万量子ビットは「単一チップでそこまで拡張できるよう設計した」と表現しています。

「designed to scale」は、現在の搭載数でも稼働数でもありません。シオリは8と100万を別々の札に記録します。八は会社が発表した現在のチップ上の数、百万は設計が目指す行き先だからです。

8から100万までには中間工程がある

公式説明に現れる数字を、同じ時制に並べてはいけません。

段階公式説明この記録での扱い
発表したチップ8個を置いたMicrosoftの会社発表として記録
次のアレイ4×2のtetron arrayもつれ・測定型braiding・誤り検出を行う次工程
設計の行き先単一チップ100万期限のない長期目標

8個がチップにあるという説明と、8個のアレイ全体で誤り検出を実演することも別です。公式ロードマップは、まず一部で量子もつれと測定型の操作を示し、その後8個を使って二つの論理量子ビット上の誤り検出へ進むとしています。載せる、制御する、誤りを検出する、訂正後の計算に使う。これらは一つずつ確認する工程です。

100万の判定条件

100万の主張を達成とするには、単一チップに100万の動作する量子ビットを実装し、制御・読み出し・エラー率を含む能力を示す必要があります。100万個分を配置できる面積や配線方針があるだけでは達成にしません。

また、「トポロジカル量子ビットとして動く」という基礎主張と、「同じ方式を100万個まで製造・制御できる」という工学上の主張は別です。このページはMicrosoftの企業目標を追うため、8個も会社発表として帰属を明示し、科学界全体で独立検証済みとは書きません。

2026年8月の現在地

発表で示された数は8、次の具体的工程は4×2アレイでの操作と誤り検出、100万は長期のアーキテクチャ目標です。DARPAの評価プログラムで最終段階へ進んだことは工程上の前進ですが、100万規模の実機証拠ではありません。

100万到達の年は示されていないため遅延判定はせず、「観測中」とします。「数年で耐故障プロトタイプ」は別の主張です。期限を持つそちらは、耐故障プロトタイプの記事で追います。

まだ分からないこと

  • 100万に至る中間チップの規模と公開時期。
  • 制御回路を含めた単一チップの定義。
  • 誤り訂正後に利用できる論理量子ビット数。

次回は100万という見出しを繰り返すより、4×2アレイでの操作、二つの論理量子ビット上の誤り検出、中間チップ規模が示されたかを確認します。大きな設計目標は、現在の実装と次工程を隠さない形で追跡します。

トワの進路ノート

今週、未来を待ちながらできること

将来設計の数字と現在の搭載数を、別の時制で二行に書く。差を一足飛びに埋めず、次の実機節目を一つ確認する。

未来記録室の青鉛筆

覚えて帰る一行

Majorana 1は8、100万は拡張設計目標。

次に見るもの

次回は2027年2月20日を目安に、成功条件へ直接つながる一次情報が増えたかを確認します。公式発表は「その主体が発表した事実」として扱い、実環境での成立や第三者確認と同一視しません。

よくある質問

Majorana 1には100万量子ビットありますか?

いいえ。Microsoftは8量子ビットを置いたチップと発表し、100万は将来そこまで拡張できるようにした設計目標として説明しています。

トポロジカル量子ビットは確立済みですか?

Microsoftは実証を主張し研究を公表していますが、科学的な検証と再現は継続中です。会社発表と独立評価を分けます。

100万へ到達する期限は?

明確な年は公表されていません。『数年で耐故障プロトタイプ』という別目標と混ぜません。

出典と確認記録

予測を示した資料と、現在地を確認する資料を分けて掲載しています。公式発表は、その主体が発表した事実として扱います。

現在地を確かめる資料

  1. Microsoft unveils Majorana 1Microsoft Azure Quantum/確認 2026年8月12日
  2. Microsoft's Majorana 1 chip carves new path for quantum computingMicrosoft Source/確認 2026年8月12日